日本橋つじ半でぜいたく丼を食べてきた
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つい2週間ほど前の話だ。
日本橋に行く用事があると、ついついつじ半の様子を見に行ってしまう。
並んでる人が少なかったら、あのぜいたく丼を堪能したいのだ。
だがこれまで一度として期待する結果となったことはない。
あまりの行列にげんなりして、心の中で『ですよね』とつぶやいて帰る。それがいつものパターンだ。
だが今日は違った。
12:40頃だっただろうか。いつもならまだものすごい行列をなしている時間帯にもかかわらず、10人程しか並んでいないではないか。
嘘だろう。こんな日があるのか。
何かの間違いかと思った。
毎度ほとんど期待せずに見に行ってるから、逆に驚いた。
前回並んだときは入店まで3時間ほどかかっただろうか。
寒さが厳しい時期で、入り口付近に設置された温かいお茶コーナーにもなかなかたどり着けず、泣きそうになった記憶がある。
今回はなんと15分ほどで入店できた。
注文したのは一番グレードの低い梅。990円。
ランチでこの値段は贅沢だなと思われるだろうか。
ちょっと待ってほしい。ここは日本橋だ。
その辺の適当なお店で定食を食べても普通にそれくらいの値段なのだ。
いわば平均的な価格と言っていい。いや、平均的とは少し言い過ぎたか。
兎に角、値段だけでいえば決して贅沢ではない。
贅沢なのは、丼ぶりの内容だけなのだ。
もちろん、遠方からわざわざ食べに来る方々は値の張る竹や松を頼んだりもする。
あれは贅沢だと言っていい。どれだけウニやイクラが好きなのだ。痛風待ったなしだ。
まあたまに食べるくらいなら大丈夫なのだろう。
話が反れた。どこまで話したのか。
そう、たったの15分で入店したのだ。
メニューがほぼ一択ということもあり、入店するとすぐに丼が出てくるのも特徴だ。
ではさっそく現物を見ていただこう。
どーーーーん
おおおおおお。
あまりの衝撃に言葉が出てこない。
この高さが伝わるだろうか。
高さが伝わりづらい写真だと思われた方はするどい。自分でも正直失敗したと思っている。
そのあたりはご容赦いただきたい。写真は撮るのも撮られるのも苦手なのだ。
自分の写真を見返すと大抵が半目になっている。思い出が台無しだ。
これは母親譲りらしい。母親の写真もよく半目になっている。
祖母はどうだったのだろうか。
また話が反れた。どこまで話したのか。
そう、高さは伝わりづらいが、非常に高く海鮮がそびえ立っているのだ。
この丼を食べるには、決められた手順がある。
初めての方はカウンターに食べ方が書いてあるので、読んでおくといいだろう。
ではいただきます。
まずは黄身醤油にワサビをとき、余すことなく丼にかける。
そして一口。正直うまいという感想しか出てこない。
ボキャブラリー不足を疑うのはやめてほしい。本当にそうなのだ。
鯛の切り身も相変わらずうま・・・あれ?鯛じゃない。
ずっと鯛だったのに鯛じゃなくなっている。
大将、これいったい何の切り身ですか。
まあ細かいことを気にしていても仕方がない。
変わったことをいちいち説明しないのも粋だ。
無心で食べ進め、気づけば完食。
しまった。
ご飯がなくなってしまっては、これから鯛の出汁をかけてもらっての第2ラウンドが楽しめないではないか。
しかし心配はいらない。
ご飯は足してもらえるのだ。ただし少なめだ。
さあ大将、オラに鯛の出汁を分けてくれ。あとご飯も。
あっつあつの濃厚な鯛の出汁とほのかに香る柚子が食欲をかき立ててくる。
さっきまで軽く満腹感を感じていたはずなのに、また腹が減っている気がする。
これが別腹というものか。自分に別腹があったとは知らなかった。
ここで残しておいた謎の切り身を浮かべる。
ですから、写真がいまいちなのはご容赦いただきたい。
切り身が沈んでしまって見えないことも理解しているが、早く食べたかったのだ。
魚の切り身が出汁の温度でほのかに色が変わり、また違うおいしさだ。
このあたりで『この切り身ブリっぽいな』と頭をかすめたが、もはや細かいことはどうだっていい。
早く次の一口を口に運びたい。そればかり考えてた。
そして完食。
ふうーっと長く大きく息をはいた。満足だ。
お会計をして外に出る。
店内が薄暗かったこともあり、日差しがまぶしい。
春の気持ちいい風が桜の花びらを運んでくる。
清々しい気分だ。
もう今日は仕事なんてできないな。
明日から仕事頑張ろう。